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「叔父さん、あたしとりのいちに行ってみたい」
姪の頼みに俺は、即行動にうつした。 現地についた姪が何故か呆然としていた。 「どうした? トリノの市場たぞ」 「違うゥゥゥ! あたしが行きたかったのは、とり、の市! トリノの市場じゃない!」 怒鳴る姪。 「すまんすまん。そっちは、次の機会につれていくからせっかく来たんだ、トリノを楽しんでくれ」 姪は、文句を言いながらも、トリノ観光を楽しんだ。 「この軍鶏の羽根の艶を見てくれ!」 「二羽くれ!」 リベンジをこめて活気に溢れる軍鶏の市に姪を連れてきた。 「気に入った軍鶏が居たら言え、飼うなら買ってやるぞ」 何故か姪が拳を震わせていた。 「誰が軍鶏の市って言った!」 「九官鳥の方が良かったか?」 「そう言う話じゃないよ! あたしが行きたかったのは、くまでをうってるやつ!」 しまった、それは、勘違いしていた。 「解った、ちゃんと調べて連れていく」 「次こそお願いよ」 溜め息を吐く姪。 三度目の正直。 今度こそ間違いがないはずだ。 その筈なのだが、姪の視線が冷たい。 「説明をしてくれる?」 「鳥の役を演じている市川海老蔵が出ている歌舞伎が観たかったんじゃないのか?」 「……どうしてそうなるの?」 俺は、目の下をなぞりながら答える。 「くまを塗ってるだろ?」 「熊手を売ってるって言ったの! あんなね」 姪が指差した先には、色々と飾りが付いた熊手を持った観客がいた。 俺は、手を打つ。 「酉の市に行きたかったのか!」 「最初からそう言ってた!」 半べそをかく姪の機嫌を直すのに、歌舞伎の帰りに寄った酉の市で自分より大きな熊手を買うはめに成ったのは、自業自得だろうか? PR |
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