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八百刃獣達の休憩室、ここでは、八百刃にあわせて、たいていの者が人型をとる。
「前回の仕事は、大変だった」 水流操竜が肩を叩いていた。 「それは、ご苦労だったな」 いきなりの声に振り返るとそこには、真赤な髪を立てた炎翼鳥が居た。 「炎翼鳥様、この様な場所にどの様なご用件で、言ってくださればこちらからお伺いしましたのに」 水流操竜が慌てて言うが炎翼鳥が淡々と答える。 「個人的な質問があって来た」 八百刃獣達が首を傾げる中、炎翼鳥が告げる。 「小耳に挟んだのだが、透明な珊瑚の一件でお前が八百刃様に頭を下げさせたなんて噂が流れている」 一気に水流操竜の顔が引きつり、周りに居た八百刃獣たちが逃げていく。 「何処でそんな噂を?」 後退しながら返す水流操竜だったが、人にぶつかって振り返るとそこには、影走鬼が居た。 「逃げ出した奴の部下の捕縛を手伝っていた私の部下が水牢粘と船翼海豚の会話でな」 水流操竜が心の中で怒鳴る。 『単純スライムとロリコンイルカ、仕事中に無駄話してるんじゃねー!』 「それで実際、どうなんだ」 いつの間にかに現れた九尾鳥が質問すると、進退窮まった水流操竜が呟く。 「あれは、その、いきなりの事で、こちらもあのような事に……」 「八百刃様の事だ、あっさり頭を下げたのだろうから、結果を問うのは、止めよう」 普段とは、違う切れ者検事風の百姿獣の言葉に水流操竜が息を抜いた瞬間に百姿獣が続ける。 「問題は、経過だ。まさかと思うがお前が自分の面子に拘って反対してた訳じゃ無いな? そのために八百刃様に頭を下げさせたというのなら……」 殆ど涙目になりながら水流操竜が言う。 「天道龍様や白牙様も反対されていた事なんです!」 そこに白牙と天道龍を連れた八百刃が来て言う。 「そこ、弱いものいじめしたら駄目だぞ。あの件は、あちきの我侭なんだから、水流操竜は、悪くないの。解散」 渋々散っていく炎翼鳥達、水流操竜が歓喜してお礼を言う。 「ありがとうございます」 八百刃は、普通に返す。 「いいの、実際あちきの所為なんだから。本当に御免ね」 手を合わせる八百刃。 その風景を見て、周りの上位八百刃獣達の冷たい視線が水流操竜に突き刺さる。 八百刃が去った後、残った天道龍にすがる水流操竜。 「滅ぼされないですよね?」 遠い目をして天道龍が答える。 「暫くは、無茶な仕事を押し付けられるのは、覚悟しておけ」 崩れていく水流操竜。 そして、思う。 『単純スライムにロリコンイルカ、絶対につき合わせてやるからな』 PR |
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